皆さんこんにちは!
今日は、傷病手当金をはじめ、治療中にお世話になった制度について書きたいと思います。
Contents
不安だった入院中の生活費
話はさかのぼりますが、腎生検を行うことに決まった時、今後の医療費が心配になりました。
働けないということはお給料がもらえない・・・。
入院が長引くとしたら、その間の生活費はどうすれば良いのだろう・・・。
以前のブログで紹介しましたが、「高額療養費」という制度があることを知り、高額な医療費がかかったとしても限度額以上の負担は避けられるということを知りました。
高額療養費に加え、もう一つ私を助けてくれたものは「傷病手当金」です。
傷病手当金
傷病手当金とは
傷病手当金とは
病気休業中に健康保険の被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、病気やけがのために会社を休み、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
なお、任意継続被保険者の方は、傷病手当金は支給されません。
参考:協会けんぽホームページ
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat320/sb3170/sbb31710/1950-271/
支給条件
次の①〜④のすべてを満たした時の支給されます。
①業務外の事由によるケガや病気の療養のための休業であること
- 健康保険給付として受ける療養に限らず、自費で診療を受けた場合でも、仕事に就くことができないことについての証明があるときは支給対象となります。
- 自宅療養の期間についても支給対象となります。
- ただし、業務上・通勤災害によるもの(労災保険の給付対象)や、病気と見なされない美容整形などは支給対象外です。
②仕事に就くことができないこと
仕事に就くことができない状態の判定は、療養担当者の意見等をもとに、被保険者の仕事の内容を考慮して判断されます。
③連続する3日間を含み、4日以上仕事に就くことができなかったこと
3日連続して仕事を休むことで「待機」が完成します。
この待機が完成することが傷病手当金を受給する条件の一つになります。
待期は、会社を休んだ日が連続して3日間なければ成立しません。
たとえば、連続して2日間会社を休み、3日目に仕事を行った場合には待期は成立しません。
④休業した期間、給与の支払いがないこと
- 業務外の事由による病気やケガで休業している期間について生活保障を行う制度のため、
給与が支払われている間は、傷病手当金は支給されません。
ただし、給与の支払いがあっても傷病手当金の額よりも少ない場合は、その差額が支給されます。 - 任意継続被保険者である期間中に発生した病気・ケガについては、傷病手当金は支給されません。
支給される金額
傷病手当金は、以下の式に当てはめて計算します。
1日当たりの金額:
【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】÷30日×(2/3)
(支給開始日とは、一番最初に傷病手当金が支給された日のことです。)
ざっくりいうと、療養のためお仕事できなかった日は、直近給与の平均日額の2/3が健保組合または協会けんぽから支給されというものです。
(厳密に言うと、標準報酬月額は給与そのものの金額とは少し異なりますが…)
たとえば、給与が240,000円だとすると、1日あたり5,333円。
1か月にすると160,000円ほど、受給できることになります。
なお、健康保険料や厚生年金などの社会保険料は免除になりませんので納付が必要です。
会社に在籍している間は、傷病手当金受給中も保険料は会社と被保険者の労使折半で変わりません。
支給される期間
傷病手当金は、病気やけがで休んだ期間のうち、最初の3日を除き4日目から支給されます。
支給期間は、令和4年1月1日より、支給を開始した日から通算して1年6か月に変わり、療養が長期に及び途中職場復帰をする際など、以前より取得しやすくなりました。
※支給を開始した日が令和2年7月1日以前の場合は、いままでどおり支給を開始した日から最長1年6ヵ月までの期間になります。
私の場合
私自身、1か月入院した際に傷病手当金を受給しました。
有給が30日近くあったので、こちらから使い切っていくという方法もあったのですが、
退院後も通院のために有給を使うことが予想されたこと、
突発的に休みを取りたい時に有給が残ってなければ不便だと思ったからです。
有給が残っていなければ「欠勤」となり、会社によっては賞与が減額されてしまう場合もあるので、避けたいと思っていました。
結果、傷病手当金を選択して助かりました。
確かに手取りは減ってしまうのですが収入がゼロになるわけではなかったので、生活にはそこまで困らずに済んだからです。
会社によっては有給の病気休暇の制度がある場合もありますので、会社の人事に確認してみると良いかもしれません。
特定医療費受給者証
こちらはIgA腎症になってから知ったものですが、医療費自己負担額を軽減できる、有難い制度です。
特定医療費受給者証とは
制度の概要
原因が不明で治療方法が確立していないいわゆる難病のうち、厚生労働大臣が定める疾病を「指定難病」といいます。
対象疾病の患者さんの医療費の負担軽減を目的として、認定基準を満たしている方に疾病の治療にかかる医療費の一部を助成します。
医療費の支給を受けるには、申請の上認定される必要があります。
参考:
難病情報センターホームページ
https://www.nanbyou.or.jp/entry/5460
横浜市ホームページ
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/iryo/nanbyo/joseiseido/tokuteiiryo.html
こちらは本人の申請が必要です。
また申請すれば使えるものではなく、認定されて初めて利用することができます。
対象となる方
- 「難病法」による医療費助成の対象となるのは、原則として「指定難病」と診断され、「重症度分類等」に照らして病状の程度が一定程度以上の場合。
申請方法
①住所がある都道府県に申請する
- 医師による診断書、住民票、世帯の所得を確認できる書類等が必要になります。
※世帯の所得を確認できる書類については、市町村民税(非)課税証明書など。
②都道府県にて審査
③認定されたら受給者証が届く
申請から医療受給者証が交付まで約3か月程度かかりますが、その間に指定医療機関においてかかった医療費は払戻し請求をすることができます。
実際に、私自身も遡りで払戻しの請求をしました。
有効期間
有効期限は原則1年間です。その後、更新が必要です。
私は1年間経過した際に寛解の状態となり、認定されないことが明らかでしたので更新しませんでした。
受けられる制度
特定医療費受勇者証を指定医療機関に提示することで、以下の制度を受けることができます。
- 医療費の窓口負担が3割の方は2割に軽減されます。
- 指定難病の治療のために受診した複数の医療機関(病院、薬局、訪問看護等)での負担額を毎月合算し、受給者証に記載された自己負担上限月額を限度として負担することになります。通院・外来の区別はありません。
医療費が2割負担になるので、日々の外来で大変助かりました。
また、自己負担上限額も変わり、医療費が高額になった際は自己負担額を大幅に抑えることができます。
自己負担上限額は所得によって変わりますが、私は20,000円が上限額となりました。
退院後は幸い大きな治療費はなかったのですが、安心感につながりました。
その他
- 住所が変わった場合は新しい住所の都道府県に申請が必要です。私は途中で転居したので新住所地にて申請しました。
市区町村独自の手当
特定医療費受給者証を持っている場合、市区町村によって月額定額の手当がある場合があります。
私自身、こちらの制度がある地域に在住していたため、手当をいただいていました。
金額は市区町村によってばらばらで、5,000円だったり15,000円だったり、あるいは0円だったりします。
入院中の食費
最後に余談ですが、1か月の入院の際、思ったより入院時の食費が安いなあと感じました。
これは「入院時食事療養費」という制度のおかげです。
入院時食事療養費とは
入院中の食事療養にかかる費用のうち、1食あたりの決められた負担額(標準負担額)を支払い、残りは入院時食事療養費として保険給付されます。
ざっくり言うと、入院時の食費に関しては、1食あたり決められた額を支払えばOKというものです。
決められた額(すなわち、標準負担額)は所得・年齢・入院数などによって大きく5パターンに分かれるのですが、
一般的な標準負担額は1食あたり460円です。
ですが、指定難病の場合は1食260円になり、自己負担額が低くなります。
1食あたり200円違うと3食で600円、30日間だと18,000円も変わってきます。
私は1か月間入院していたため、この制度によって想定より医療費が抑えられました。
様々な制度に助けられ、社会保険のありがたみを知る
IgA腎症を発症してから、上記で紹介した国や社会保険、市区町村の様々な制度に助けられてきました。
それまでは、健康保険や厚生年金は高いし、給料から天引きされて手取りは減るしでブーブー言っていましたが、これらの制度に守られていることを実感しました。
病気になられた方は、病気のことを始め、不安なことはたくさんあるかと思います。
私自身、仕事のことやお金のことなど、目の前が真っ暗になりました。
ですが、少しでも「知っている」ことで、光が差すことがあります。
しばらくの間働けなくなっても、仕事を辞めずに済む制度、
医療費が高額になっても支払が青天井にならなくて済む制度、
病気の種類によっては医療費負担額を抑えてくれる制度。
日本にはありがたい制度が整っています。
その制度の存在をお伝えし、少しでも不安が軽くなれるよう力になれたら幸いです。
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